OAKLEY TRYOUT 2019が、2020年東京オリンピック・サーフィン種目の会場となる釣ヶ崎海岸で今年も開催された。
コンテストディレクター・田中樹氏とTEAM OAKLEYのキーマン・永田隼也氏からこの大会に対する思いを聞いた。
ーOAKLEY TRYOUTは今年で3年目を迎えるそうですが、この大会を始めたきっかけは?
永田:
TEAM OAKLEYには契約・サポート問わず素晴らしい選手が集まってくれています。そんななか、あらためて「今、僕たちができることは何か?」と考えた時に、未来のTEAM OAKLEYメンバーになりうる子どもたちの発掘の場として、また現役選手と子どもたちが交流できる大会ができたら素晴らしいよねという話が出たんです。それならばまた復活させたいよねと話が盛り上がり、実現に至りました。
ちょうどその時期、東京オリンピックでサーフィンが新種目として候補となっていたので世間の注目度も上がってきていて、タイミングも良かったですね。
田中:
そうですね。再びこの2020 東京オリンピック会場となる志田下で復活できたことは大きいことだと思います。
ー田中さんにとってのOAKLEYとは?
田中:
自分もサポートしていただいて長いのですが、OAKLEYは「アスリート・ファースト」というイメージがあります。
OAKLEYは他のブランドと比較すると、サーフィンだけじゃなく野球やゴルフもカバーしていたり、スポーツのジャンルも幅が広いところがユニークですね。
子供たちをサポートしていく中で将来自分の好きなスポーツを職業にできる、というのが最高の結果だと思っているので、サーフィンを通してそのきっかけを提供できれば良いなと思っています。
ーこの大会を 通じて子供達に伝えたいメッセージとはなんですか?
永田:
かつて同じ目的でOAKLEYが主催していた「BIG DAY OUT」という大会では、幼い頃の大原洋人選手や五十嵐カノア選手、加藤嵐選手も参加してくれていたんですよ。
なので、今の若い世代にもどんどんOAKLEYにタッチしてもらいたいし、この大会を通してOAKLEYというブランドに対して憧れを持ってくれたり、トッププロと直接ふれあう事で彼らに憧れを持ち「もっと頑張ろう」という原動力に繋げてもらえたら最高です。
そんな思いがあったので、田中選手のディレクションに助けられて再び「OAKLEY TRYOUT」として大会を復活させることができてすごく良かったと思っています。
子供達にとって憧れのOAKLEYチームライダーのサイン会も実施
ー自身のティーンエイジャー時代を振り返って、今の世代の選手との違いを教えてください
田中:
一番大きな変化は、情報が手に入りやすい時代になりどんな情報も得られやすくなっているな、ということです。親御さんのバックアップが手厚くなっているなという印象もあります。
我々の時代は自分で模索して海外遠征に行き、情報収集も自分でやらなければなりませんでした。今となってはその経験が役に立っている部分もすごくありますが。
そういう観点から考えると今の若い世代は自分たちの時代より恵まれているのかなとは思いますね。
台風からの胸肩サイズのうねりそしてオフショア。子供達には絶好のコンデションで開催された
ー引退してからの活動は?
田中:
OAKLEYサーフカテゴリーのアドバイザー、オニールのチームマネージメントをさせてもらってます。試合のコーチングでは、チームは違いますが稲葉玲王選手などのコーチとして海外を一緒に転戦してます。あとはJPSAのコンテストディレクターもやっています。全体的に現場の仕事が多いです。
オークリーチームライダーたちによるエキシビジョン
エキシビジョンでの平原颯馬選手のライディング
ーまだ日本ではメジャーではないコーチングという職業を始めるきっかけは?
田中:
現役時代にWQSを回っている中で、親以外の人がコーチングしているのを目の当たりにしたり、自分の国内外の試合を回った経験を若い世代に伝えていきたいと考えるようになったのがきっかけです。その後、ワールドジュニアの大会で加藤嵐選手や大橋海人選手をコーチングしたのが始まりとなりました。
世界的に有名なジェイク・パターソンやその他海外のコーチと違うのは、選手の特徴をすべて把握したうえでターンの種類などを、細かく指示を出しているところです。最終的にコーチングという職業で重要なのは、プロセスではなく「結果」だと思ってます。
ー試合で世界を回ってきた経験上、世界の舞台においてボーイズ・ジュニア世代での日本と他の国々との現状を教えてください
田中:
今、その世代においては世界の中で日本人が一番上手いと思います。
ですが、なぜ世界で日本人が勝てないのか?それは頭を使いきれていないのと自立心が不足していること、ハングリー精神が足りないことも一因ではないかと感じています。もっと小さい時から親離れし、自立して世界を見ないと成長はないと思うので、国内のランクが低い試合で優勝するより日本を飛び出し、世界の大会での経験を積んでほしいですね。
ー自身の今後の目標は?
田中:
自分がコーチとして携わった選手をWCTにクォリファイさせることです。一刻も早く五十嵐カノア選手の後に続くWCT選手が日本から出るようにしたいです。自分がコーチしている選手に限らず、WCTで活躍する日本人選手を増やすための活動を精力的に行っていきたいと思っています。
コンテスト・ディレクターとして、チームをまとめるマネージャーとして、TRYOUT当日は大忙しの田中樹氏
田中樹|プロフィール
◾️1983年10月30日生まれ
◾️2009年|JPSA(ジャパン・プロ・サーフィン・アソシエーション)グランドチャンピオン獲得
◾️2018年|選手引退
◾️現活動|サーフィンコーチ、JJP(ジャパン・ジュニア・プロジェクト)専属コーチ、JPSA理事
◾️Instagram >> @izukitanaka1030
OAKLEY CUP TRYOUT 2019 | 試合結果
AA BOYS の優勝は、松原渚生選手。「いつも志田下で練習しているので嬉しいです。今月末に全日本選手権があるので優勝して、一年を通して良い成績を残したいです」とコメント。
2位・森大斗 3位・荒木陸叶 4位・堀越類
AA GIRLS 優勝・中塩佳那 2位・庄司梨花 3位・松山黎音 4位・池田美来
AA KIDS 優勝・岡野漣 2位・三木望未 3位・永谷オダイ 4位・行廣誠波
B KIDS 優勝・水上寛斗 2位・石山汰一 3位・二宮虎亜 4位・和氣堆人
C KIDS 優勝・笠原心之介 2位・石井有沙 3位・嶋田大洋 4位・飯田翔斗