五十嵐ツトムのCTツアー観戦記 |番外編 | SURF RANCH ファースト・ライド<エピソード1>
五十嵐カノアの父ツトムが、試合に帯同して父親目線で観たリアルで愛のあるツアーレポート。
五十嵐カノアが2016年17歳のときにケリー・スレーターの依頼で開発途上であったウェーブ・プール【SURF RANCH】において、記念すべきファーストライドでのエピソード。
Text & Photo by TOM IGARASHI | Supported by Namidensetsu
Lemoore, California –
極秘に行われたカリフォルニアのウェーブプール【SURF RANCH】開発段階での五十嵐カノアファーストライド
2016/4/29
ちょうど4年前のゴールデンウィークでした…..このプロジェクトの数日前にKINGケリーさん(ケリー・スレーター)から連絡がありました。
まだカノアが幼いころに約束をした「人工波のサーフィン専用プールが出来たら….お前をすぐに呼んでテストさせるよ….」と約束してくれたケリーから4/30にカノアにために波を作るから来なさいとの連絡が。
も〜この当時カノアはまだ17才….ええええええ〜マジ〜本当に本当にヤベ〜って….私も運転手で行くことに決まって〜ま〜そんときゃ〜大興奮〜。
今でも年に数回ケリーさんのプールにお邪魔させていただきますが、今だにワクワクしてます….あそこは特別です。当時は興奮を通り越してましたけど(笑)…..確かあの時は〜カノアは〜オーストラリアから戻ったばかりでホッと一息ついていたところだったのですが〜プールだよ〜準備準備準備〜そわそわしながらプール用のボード選び….ダディも〜その昔〜日本で〜ウェイブプール(東武動物公園)でサーフィンした事あるぜ〜みたいな話をしながら〜…..真水だけどボードの浮力は気にしなくて良いよ〜みたいな….
地図でケリーさんのプールの場所を確認、結構遠いんです。ハンティントンから370kmです。およそ車で4時間は〜余裕でかかります。途中でガソリン入れたりコーヒー買ったり、食事をしたら5時間はかかるんです。
4/30の朝5:30にカノアの為に波を立てる…..って話だから〜前日からサーフ・ランチに宿泊するようにって言われたらしく….じゃ〜なんだかんだ逆算して〜…..4/29の昼にハンティントン出発、確か金曜日でした。ミサ(妻)がこの時東京に行っていて家にはキアヌとカノアと私の3人でした….とりあえずこの時はカノアと私のみが施設に入れるって〜ことでキアヌはかわいそうでしたが、サンクレメンテのセバッシャンくんの家にドロップ(笑)ハンティントンからいったんサーフ・ランチとは真逆方向のサンクレメンテに南下しキアヌを落とし…. 北へ北へと向かう。
しかし…..この北へ向かうフリーウェイ「405」金曜日とんでもない渋滞(泣)サンクレメンテからハンティントンまで1時間以上…..でもって激混みのLAXエリアを通過しなくてはならない。途中スタバでコーヒーをゲットし…..ハンバーガーを喰いながら〜北へ。
こりゃ〜到着は〜11:00pmっすね〜とかなんだ〜かんだ〜話しながら北へ。あっという間にあたりは真っ暗….カリフォルニアってちょっと街から離れると、砂漠って言うのか荒野って〜言うのか〜街灯も無くけっこう寂しいのです。
どうにかこうにか支持された高速の出口に到着。地図を見ると更にここから1時間した道を走る…..真っ暗なカリフォルニアの田舎道をナビの指示どおりに突き進む….ナビではそろそろ到着なんですが、民家もない真っ暗なまっすぐな道のみ…..。少し灯がみえてきた、セキュリティーと書いてあるシャツを着た門番らしき男に….ここって〜サーフィンプール?って聞いたら…そうだと言って私たちの身分証明書をチェックし無線で厳重に閉められた門の中のスタッフと私たちのことを確認….VIPのカノアとわかると笑顔で重々しい門を開けて、ど〜ぞ〜って。
アメリカンであ〜る。
このケリーさんのプールの開発にカノアは14才の時から携わっていました。
極秘プロジェクトだったため私にも一切話していませんでした。今聞くとあの時ケリーさんから絶対に誰にも話さないでって言われたからだそうです。そんな世界に…..カノアが呼ばれ、まだ未公開の秘密段階の時に私も呼ばれて…..本当に緊張しました。この時、本物のサーフィン界に私たちも徐々に認められてきているなと感じました。
ま〜出発前に色々と問題も起きましたが、そんなエピソードはまた次回なにかの機会にゆっくりとお話しさせていただきます….逗子の「サーファーズ」あたりで(笑)。
渋滞の中どうにかこうにかサーフ・ランチに到着(pm11:00)ゲートを通りサーフランチの中に…..真っ暗、その凄いプールが目の前にある事を聞き目をこらして見ても真っ暗で全く見えない。あたりまえだけど何ひとつ物音もしない。とりあえずココに今晩は泊まってくださいと案内されたのが「エアストリーム」。私もカノアも初のエアスト泊、これまた興奮して寝れない。食事は用意されていないと聞いていたので途中の「in n out」っで〜ダブルダブルを買い込みエアスト内でカノアと二人でむしゃむしゃ喰い寝る。
4/30am5:00起床
まだ薄暗い….エアストはプールの真横に止めてあった(笑)車内からうっすらとプールの水面が見える。静かな綺麗な水面….寝ている様子、スイッチを入れると物凄い波になるんだろな〜。エアロ内でウエットに着替えていると、スタッフがゴルフカートでカノアを迎えにきた。私も撮影機材を用意しカートに乗り込む….「その撮影機材は使用出来ないから車に置いて置いて」って言われ…やはり極秘っすね。
少し霧がかっていました。カノアは真っ赤なウエットスーツ….プールの前でストレッチ、徐々に霧が晴れてプールがくっきり見えてきた、やべ〜…..人生初のウェーブプール…しかもケリーさんからの招待でのテストライド….カノアのファーストライドの時まであと3分….とアナウンス。ドキドキが止まらない。
お父さんはもっとプールの中央かそれ以上向こうに行った方が見やすいよって言われ….双眼鏡も手渡された。このプールの全長800m…カノアの波があと2分…..急いでプールの中央へ小走り。
今では多少聞き慣れた、波を起こすためのフォイルをモーターとワイヤーで引っ張る音が….カッカッカッカッカッカッ……あと1分。どうにかこうにか私は中央を超え….するとプールサイドに沢山のメディアと観客?
ええええええっカノアのファーストウェーブを観に….大勢のスタッフとメディア陣、それとこのプールの開発をしていたスタッフやプールの投資家の方達かな?ええええええええええっ凄いことになってるぞ〜……
エピソード2へとつづく…