VOLUME 07 |
A DAY IN SHONAN 佐藤魁
”世界を旅するプロサーファーが戻る場所”
Portrait by Masaki Tabe
Text by Eisuke Tomiyama
サーフィン好きなファミリーの次男として生まれ、幼い頃は水泳選手として将来を期待された佐藤魁。力の抜けたメロウな性格と、静かに実行する強い意志。しかし頑なさを感じさせないキャラクターは、茅ヶ崎という大らかな土地が育んだのかもしれない。
愛車はダットサンのピックアップトラック。
昨年のJPSAランキング7位。TV番組「テラスハウス」への出演で一躍人気者になった一方で、本業のプロサーファーとしての実績も着実に伸ばしてい佐藤魁。今年はQSにも積極的に参戦し、世界への挑戦も本格的にスタートした。現在20歳。幼い頃から注目されてきたサーフィン界の逸材だが、ここにきて彼の人生は大きく動き始め、その一歩ずつを着実に歩んでいる。
クラマスで行われたJPSAムラサキカップ後、しばらくバリに滞在して、仲のいいローカルのベテといい波に乗り、取材の直前に帰国した魁。一週間ほど自宅に滞在した後は千葉でQSに出場し、それから南アフリカに向かう。世界中を忙しく飛び回る日々が続く。取材に訪れたときには南アフリカ行きのエアチケットの手配に忙しそうだった。それでも、独特ののんびりしたキャラクターは崩れることはない。
近くにあるラチエンスムージーは、お気に入りの行きつけ。サーファにとってポピュラーなアサイーやスムージーだから海外で食べることも多いが、ここは世界一だそう。代表の橋本さんと。写真はアサイー・スーパーフードボウルと、オーガニックピーナツバター・スムージー。
「ごはん食べました?」と連れて行ってくれたのは、スーパーフードをふんだんに使ったスムージーやアサイーを提供するカフェ。「ここのアサイーはハワイやオーストラリアよりおいしいです」と、地元の味を楽しむ。彼のまわりにはいつもメロウな時間が流れている。
近くのサーフショップRサーフの和田さんと。子供向けのスケートボードスクールを開催するなどカルチャーを育てるショップだ。
現在も茅ヶ崎をホームにプロサーファーとしての可能性を追求する。
自宅があるのは茅ヶ崎市浜須賀。茅ヶ崎の辻堂寄りにあるこの場所には閑静な住宅地が広がる。世界を旅して波に乗り、最近は千葉にも部屋を借り、湘南に波がなければ千葉に向かう。そんなわけで、自宅にいるのは一年の1/3程度だという。それでも、地元にいるときは少しでも波があれば海に入り、この日も朝波乗りをしてきたという。
自宅の周辺はビーチブレイクで、近所での波乗りは自転車で波のいいバンクに向かう。あるいは愛車のダットサンのピックアップで湘南全域を移動。サーファー御用達のピックアップトラックがまたいい感じで、サーフボードとウェットスーツをストレスなく積み込めて、荷台で着替えもでき、実に快適そうだ。
この日、自宅の玄関先に出ていたのは、チャネルアイランドの5’7″、パイゼルのネクストステップ6’3″、リュージ・シェイプスのフィンレス。色々なシェイパーのボードに乗り、波に合わせて自由にサーフボードをチョイスできる環境を楽しんでいる様子。
さりげなく、けれどわが道を行き、自分らしさを表現する。そんな佐藤魁のスタイルは湘南のビーチブレイクで培われ、世界の波で磨かれている。
最近は千葉にも拠点を構え、湘南に波がなければ足を運んでいる。