創刊号バックストーリー
トッド・グレイサー ポートフォリオ

Portrait by Taisuke Yokoyama
Text by Jun Takahashi

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サーファーのみならず、誰が見てもサーフィンの美しい瞬間を感じられる秀逸な写真ばかりのポートフォリオで創刊号を飾ってくれた、トッド・グレイサー。カリフォルニア・サンディエゴ出身のトッドは、米SURFERマガジンのスタッフフォトグラファーとして、トッププロサーファーたちと世界中の最高の波で撮影をし、数々のカバーショットを残してきた。ランド&ウォーターショット、ライフスタイルショットすべてにおいて素晴らしい才能を発揮し、危険なコンディションでも確実にアメイジングな写真を撮る。その実力は、ケリー・スレーターのお抱えフォトグラファーであることからも伺える。

本誌スーパーバイザー兼シニアフォトグラファーの横山泰介と、たくさんのフォトグラファーの写真をいくつも見て、どうしても創刊号のオープニングをお願いしたいと行き着いたのがトッドだった。だが、世界を飛び回り撮影をこなす多忙な彼にアプローチをしてみたものの、なしのつぶて。そんな状況を横山に電話で話したところ、「そういえば、この前ケリーが日本に来たときに連れてたカメラマンの写真撮ったよ。名前は忘れたけど、すごくいいヤツだったよ」、「えっ!それ見せてください!」、「わかった!すぐ探すよ」との展開。自分はその間にインターネットでトッドの顔写真を探す。約30分後、横山から送られてきたポートレートがこれ。トッド・グレイサーだった。すぐさま横山に電話をし、「横山からこの写真とともにトッドにコンタクトしてみてください!」、「わかった!」と大興奮の流れに。自分をCcで加えてもらった、「憶えてくれてたら嬉しいよ」と言葉を添えた横山のメールに、翌日、トッドから返事が届いた。

静謐な言葉遣いで、長いこと返事を書けなかったことに対してのお詫びと、ここしばらく新しい自分の写真集を編集中で、それがいよいよ大詰めを迎えている、翌週からなら作業に入れるという状況を伝えてくれた。そしてそこには少し熱っぽく、「君たちは知っているように、一度紙に印刷されたものは永遠に形に残る。そのことこそが、本が素晴らしい理由なんだ!」と記されていた。

そうしてやり取りが始まり出来上がったのが、全14ページに渡る創刊号のトッド・グレイサー ポートフォリオだ。雑誌として形になったページひとつ一つにはすべて、ユニークなバックストーリーが潜んでいる。そこには、話せるものと話せないものがあるけれど(笑)。

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